やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

「マイナス・ゼロ」

 

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

 

 もっとハードなSFを想像していたが、内容の多くは戦後日本の情景に費やされていて、読後感は昭和中期の私小説に近かった。もちろんラストはそれなりにSFしていたが、それも多分に情緒あふれるものだ。

ただ、だからといって決して期待外れではなく、どっぷりと戦後日本の日常を味わえて面白かった。実在の事件との折り合いのつけかたがなんとも絶妙。

他の本も機会があれば読んでみたい。

著者は元バンドマンだったんだなあ・・・。