毎年恒例、夏の一品。「八甲田山」に並ぶHD永久保存の作品だ。
観る度に襟を正さなければならないという想いにかられる映画だ。
若い、というか幼い頃に見たときは、三船敏郎の切腹シーンの怖さ
が頭にこびりついたが、年を経て、観る度にこの作品の奥深さを感
じる。
オールスターではあるがこの作品の主役は黒沢年男に決まりだ。
他の配役は代わりがきくが、黒沢年男だけは替りはいない。
あの目、あの表情がこの映画の顔だ。パッケージも黒沢年男の顔
のアップにしたいが怖くて手に取れない人が出そうでできないか。
何度観ても、カットのリズムで映画に引き込まれてしまう。
三船が遺した言葉に応えるように、戦後の日本人は働いて働いて働いて、
今の日本を築いた。その功罪を今考えることはやめたい。
さて、この映画を観た後のこの気持ちをどのように噛みしめようか。