最初は「クリスティーン」の船版かと思ったけど、違ってました。
面白くなるに決まっている構成の映画で、そこそこ楽しめた。
船の名前がアイオロスということで、人間と神の絡み合いだなと想像したが想像以上にそうだった。
細かいことを言えば、主人公が閉じ込められる二度目のシーンで「この馬鹿はもうどうなってもいいけんね」という無慈悲な感情に襲われ、それ以上は楽しめるレベルが下がってしまったが。(セリフでも「またかよ」といっていたが、アホは許せん)
それはそれとして、観終わってレビューを観るとホラーとかスリラー映画というコメントが目立ったけど、これは神話の世界を敬愛しているマルタの人がつくったかわいい神様の映画ではないのか?
だって、なんだかんだいって主人公は致命傷を負うわけでもない(というか負わないようにしてくれている)し、危機を回避する全てのシーンは船(つまりは神)が準備してあげたものだし、足音などは追いかけっこやかくれんぼを疑似体験しているものではないのか。
最後は穏やかな島の一角に連れて戻してくれているわけで、一連のシーンに悪意はほとんど感じられない。どちらかといえば、ついやり過ぎてしまうやんちゃ坊主の遊びの相手をさせられているイメージなのだ。
最後のシーンは神様(船)が「また遊ぼうよ」とわくわくしながら待っているシーンではないのか?
手荒いこともするけれど、本当にかわいい神様(船)なのだ。