ついに読んだ。ただし、ほとんどわからなかった。
この本にはちょっとした思い出がある。
社会人になってしばらくたったころ、同期の友人の部屋を訪ねたとき、本棚にこの本があったのを妙に鮮明に記憶しているのだ。
当時、哲学に興味が無いわけではないがその業界というか、哲学界には興味がなく、輪周りにも話題にする知り合いはいなかった。ただ、この本の「共同幻想論」というタイトルがかっこよく聞こえたのだ。
ただなぜか読む気にはならなかった。なぜだろう。今でもわからない。
そして、とうとう読んだのだが、さっぱり理解できなかった。
ただ、いわゆる国家というものが、血縁関係で成り立つ社会からその枠を超えた共同幻想を持つことから始まるのだ、という風には読めた。
「古事記」の読み解きなどの興味深い部分はあったが、こういう論を読むと真実は永遠にわからないのだという絶望感が先に立ってしまい、なんとなく、沈んだ気分になってしまうのだ。
どこまで解明できるのかへの挑戦とはわかっているのだけれど。