二回目かな。
とにかく「甘酸っぱい」映画。
バーブラ・ストライサンドのアクの強さはいかんともしがたいが、美人なだけ、かわいいだけの女優ではストーリーに負けてしまうだろう。また、ユダヤ系ロシア人の家庭に生まれたこともこのキャスティングの理由だろうな。
ある「時代」を生きた男女の物語としてよくできているとは思うが、なんてたってこの映画は主題歌「The Way We Were」に尽きる。
メロディもいいが、歌詞がまたいい、それにバーブラの歌唱も素晴らしい。
聴いていてふと連想したのがユーミンの「海を見ていた午後」。
もう戻らないあの頃への想い。
故郷ではないが、青春の中の二人は遠く離れて想うもの、なのだ。
映画そのものは追憶のメタ構造になっている、映画の序盤を後半の二人が追想する。まさに追憶にどっぷりと浸りきれる映画だ。
印象的なのはロバート・レッドフォードがバーブラの靴紐を自分の膝の上で結んであげるシーン。恋の始まりのシーンだ。
たしかにこうされたら女性はふらっとするだろうな。
後半にロバートがバーブラに「二人の性格は合わない」というセリフがあるが、ここまで付き合っておいて何を今更である。(苦笑)
フィッツジェラルドに触れるセリフがあるが、ロバート・レッドフォードは「グレート・ギャツビー」(華麗なるギャツビー)にも出ている。たしかに、影がないがどこかはかない明るさはフィッツジェラルドの世界観に雰囲気が合うのかもしれない。
でも、よりが戻せて一時期でも幸せになれるなんて、稀有な二人だよな。
いろいろあるが、この曲を聴いている間は追憶の世界に浸れる。
最後に、歌詞をあるサイトを参考に意訳してみた。
想い出・・・
ふと心に浮かぶのは淡い水彩画のようなあの頃の二人。
ばらまかれた写真に残る慈しみ会う二人の微笑み。
でもその微笑みは遠い昔のこと。
あの頃の二人の世界はシンプルだったはずなのに。
それとも時が書き換えてしまったの?
もし、やり直せるのなら・・・
もう、二人はやり直せないの?
想い出・・・
美しい、でも思い出すにはつらすぎる。
そう、忘れましょう。
今、思い出せるのは二人が笑う声だけ。
あの頃の二人が楽しそうに笑う声だけ。
あの頃の二人・・・