やっぱり落ち着くなぁ。
テーマそのものは初老の男にとっては少々すわりが悪いというか、居心地が悪いというか、初老を迎えた男の下品さを露悪的に描いていて決して落ち着いて観ていられるわけではない。若い嫁をもらった友人に対するコメントの恥知らずぶりは本当に初老の男の厭らしさを容赦なく描いていて、監督の「こういうやつらは本当に嫌だね」という言葉が聴こえてきそうだ。そこから一線を画す笠智衆だけには娘の結婚を通して、戦争を経験した男に対して労わるような眼差しを向ける。
しかし、息子の佐田啓二のゴルフクラブに対する子供のような執着の描き方など、男に対する目には厳しいものがあるなぁ。
あと観るべきは岩下志麻の美しさ。しかし絵にかいたような美人とはこうい人をいうのだろうか。
いろいろあるけど、観ているだけで落ち着くこの味は何物にも代えがたい。