やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「散歩する侵略者」

 

散歩する侵略者

散歩する侵略者

  • 発売日: 2018/03/07
  • メディア: Prime Video
 

監督が黒沢清、主演が長澤まさみ、ということで大した話題にはならなっ
かたことを知ったうえで、少しの期待を持って鑑賞。
なんてったって、「cure」は素晴らしかった。
もろもろのシーンで安い映画だなと思いつつ、途中から何これ?という感じ。
黒沢清といえどもこんな駄作をつくってしまうのか。。。

まあ、そもそもこれを映画として観ることが間違っているのかもしれない。
どこかの子供の妄想のコラージュとしてみれば、へェ~とかフ~ンとか言
えるかもしれないが、一応、総合芸術ともいわれる映画して評価しようと
すると、観るだけ時間の無駄、としかいえない。
シナリオはぐちゃぐちゃだし、長澤まさみの魅力を引き出せていない。
シナリオのダメさの一つの例はGPSで居場所を特定されるシーン。
そもそもあんな怪しいジジイの官僚から受け取ったGPSを後生大事に持っ
とくか?あんなもの常にONに決まってる。ここで大事なのはこのシーンで、
主人公の少しは目端の利くジャーナリストというキャラクターのリアリティ
が崩壊してしまうことだ。ストーリーがはちゃめちゃなのだからこそ、主人
公のリアリティは死守しなければならないのに。
私ならこうする。

受け取ったGPSを主人公は通りがかりの廃品回収のトラックの荷台に、
「こんなもの!」というセリフとともに放り投げる。トラックのボディには
派手なETの顔が書かれている。
シーンは宇宙人が交信しようとしている場面に切り替わる。いきなり襲撃を
受ける主人公はなぜ場所が漏れたのかわからない。逃げ惑ううちに、襲撃さ
れた場所から走り去る廃品回収のトラックを目撃する。そのボディにはETの
派手な顔が。
ここはゴミ捨て場で廃品回収のトラックの行きつく先なのだ。
主人公は天を見上げてつぶやく。「なんてこったい。」

もちろんETの顔は宇宙との交信をからめたギャグである。
わかる人にはわかるであろう。これはルパン三世1stシーズンの最終回への
オマージュである。
これくらいはして欲しいものだ。

なにはともあれ、長澤まさみへの気の毒さがだけが心に残った。
乗り移りのシーンは「エクソシスト」からインスパイアされたのかなぁ。