ここまでやられると、どっぷりとノスタルジーに浸ることへのちょっとした後ろめたさなどどうでもよくなる。
一つ一つのエピソードが絶妙にミックスされていて、あざとさを感じる隙間が無い。
懐かしさのなかに挟み込まれた三浦友和の家族、戦死した部下のエピソードが沁みた。
誰に感情移入してしまうかと言えばもちろん息子の一平である。よくぞこのキャラクターを探したものだ。吉岡秀隆は少し屈折した役をやらせるとうまいなあ。
とにかくキャスティングが絶妙。薬師丸ひろ子がここまで「昭和のおかあさん」役がはまる役者になるとはデビューした当時を知る者として感慨深い。
とにかく、現実逃避とでも何とでも言えという気分で映画の世界に浸らせてくれる。
これからも折に触れ観るのだろうなぁ。