脚本に松山善三の名前を見て、鑑賞。
高峰秀子の夫なので名前が知られてはいるが、知名度ほどの代表作が無いというイメージだったかな。このドラマを観て、「確かに」という印象。
何が確かかというと、なんというのか、思わせぶりで終わってしまうという感じ。
人物構成から「ミツバチのささやき」的な展開を想像していたのだが、さにあらず。では、少女と初老の男との交流を独自の切り口で描くかというとさにあらず。
昆虫の描写が印象的で、ネイチャーものかというとさにあらず。
まあ、煮え切らないよくわからないドラマだった。いわゆる当時の「芸術祭参加仕様」とでもいうのでしょうか。
心に残ったのは、死んだミツバチを手にしたときの宇野重吉のセリフ。「こいつらは死ぬときがきたから死んだんだ。働いて働いて、なんのために生きたかなんて考えず、ある日疲れてポトリを落ちて死んでいく、満足してな。」
昭和40年の作品だし、高度経済成長を支える働きバチをイメージしたのものだろうな。
ともあれ、少女役の子は可愛かったです。