やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

本「検事の本懐」

 

不覚にも、というほどのことでもないが、「第三話 恩を返す」を読んで落涙してしまった。まさか、まさかミステリーを読んで泣くなんて・・・。とりあえず、泣かせるだけの力が著者にあるのだ、と自分を納得させた。

しかし、面白い、感動する、心が震える。

これはただのミステリーではないです。

もちろん、社会正義に対する著者の矜持が根底にはあるのだけれど、それにもまして人間であれば、多かれ少なかれ誰もが持っている”純粋なもの”に対する慈しみのようなものを感じる。これを大事にしなければ、何を大事にするのだ。まさに、ハードボイルドの名言「やさしくなければ生きる資格がない」を思い起こさせる作品だ。「第三話」を読んで感じたのだけれど、著者には青春小説を書いて欲しいなぁ。