<ネタばれあり>
久しぶりに映画館で鑑賞。
平日にもかかわらず、そこそこ席は埋まっていた。アカデミー賞効果かな。
一言で言うと、「大人の映画」。
冷静に観ればこんな明晰なしゃべり方をする人はいないと思う。まあ、なかにはいると思うけど、相当特殊な人だと思う。脚本では。このような緻密で明晰な会話をする人はいないことをわかっていて、演出効果を優先して自然な感じを排したのだろう。そしてそれは想定通りの効果をあげていると思う。
個人的な好みで言えば、主人公の妻はどちらかと言えば嫌いなタイプ(しゃべり方やその内容)だし、その分、主人公が浮気の現場を目撃したショックや、妻を失いたくないという気持ちになかなか共感できなかった。
それに浮気現場を目撃するシーンで主人公が家を出るときに鍵をしなかったので、奥さんは見られたことに当然気づいているよね。
まあ、それはそれとして、ドライバーの女の子は良かった。最後はちょっとしゃべり過ぎの気もしたが、会話を最小限の言葉で済ませるクールな感じが自然に出ていた。
一番好きなシーンはプロデューサーの韓国人の家で食事をするシーン。
まあ、あんな会話で食事のシーンを成り立たせたのもすごいし、あの夫婦のあり方は好もしかったし、あの俳優さんはいいなあ。
あと、西島秀俊は声がいい。
最後のシーンは、舞台が韓国で上演されているということだよな。きっと。
ちなみに、亡くなった人に対する”取返しのつかないやりきれなさ”を描く映画としては「鈴木家の嘘」のほうが胸に迫る。
最後に映画館側へのクレームを。
本編の映画が始まるまでのゴミのような予告編や、盗撮防止の画像はなんとかならないものか。おかげで寝てしまって本編の出だしを見損なってしまったよ。なぜ金を出してまで観たくないもの、不愉快な気分になるものを観せられなければならないのかわからない。これでますます映画館から足が遠のくのであった。
映画館側は自分の首を自分で絞めているのがわかっているのだろうか。