このミス第一回(1977年)第一位。
ミステリーというよりも、冒険活劇だが十分楽しめた。
前半の船の手配のところでは事件もなく、少しだれ気味だったが、この緻密な描写がハイジャック事件に説得力を持たせる。
とはいっても、やっぱりどこかモタモタ感があるのは時代のスピード感の違いだろう。知らないうちに自分も時代の移り変わるスピードに慣れてしまい、ストーリー展開への感性に影響が出ている気がする。
最後に近いシーンで味方の機を撃墜することをためらうグラントに少し違和感があったが、確かにキャラクターとしてはそのような仁義は守る男として描かれている。
ただ、死ぬかもしれない捕虜になることには、なんとも割に合わなさがぬぐえなかった。
でも、ラストはベトナム戦争や軍人の描き方とうまくマッチしていた。