やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

本「男子観察録」

男子観察録 (幻冬舎文庫)

まず、選ばれた男性たちの顔ぶれがすごい。

よく、ここまでバラエティに富んだ男性について、これだけ充実した、面白い内容を書けたものだと感心する。

書かれた内容も男性のことだけを客観的にとらえたものではなく、なぜ、自身がこの人を好きなのかどのような係りを持つのかについて、自身をさらけ出し、しかも情に流れることなく(とり・みき氏の解説の言葉を借りれば”品格”をもって)書けるものだ。

とり・みき氏の解説も素晴らしい。

特に印象に残ったのは、現在も折に触れて書かれたり、語ったりしている「安部公房」と最後の「セルジオとピエロ」だ。

セルジオをピエロ」は、とり氏も書いているように、映画の一場面を観るように読み、思わず涙してしまった。

ヤマザキさんの文章には心を揺さぶられ、元気づけられることが多い。

内容は文明批評としても読める。またいつか読みたい。