昔から五木寛之さんの本をよく読む。エッセイなどは繰り返し読む。
どこがいいのかと問われると、これがよくわからない。
五木さんの本とはいっても親鸞ものはあまり読んでいない。
これも理由は特にない。
好きな理由として思いつくのは「ノスタルジーを感じるから」というものだけど、決して同時代を生きた作家ではないし、どちらかと言えば親の世代に近い。
ただ、彼の文章を読むと懐かしさを掻き立てられるのだ。まあ、彼が活躍した時代に青春を過ごしてきたこともあるだろうけれど、彼の生い立ちなどの文章からも感じるのだから、どこか共鳴するものがあるのだろう。
一つ言えるのは、彼の文体が好きだということだ。自身も書いているように、根無し草のような浮遊感、悪く言えば落ち着きのなさなのだが、あの押しつけがましさの無さがしっくりくるのだ。ああ、また彼のエッセイをだらだらと読み耽りたい。