ジョージ・C・スコットのタフガイぶりが様になっててカッコいい。ハード・コアならぬハードボイルドの夜なのであった。
信心深い田舎の親父が娘のために都会の裏社会に潜入していくのだが、裏社会の人間よりもよほど強面なのがおかしい。
タイトル通り、描かれている当時のアメリカのポルノ業界の仕組みが面白い。いわゆる家出少女が食い物にされているのだが、ジョージの娘は業界に入ったことを後悔していない。このあたりも、いわゆるカウンター・カルチャーの影響なのだろう。
序盤の信心深い家庭の描写とのコントラストが効いてる。
やっぱり、ポール・シュレイダーだけにタクシー・ドライバーの雰囲気が漂っている。
社会の裏側に生きる人々への眼差しが感じられるのだ。
印象的だったのは、ニール・ヤングの「ヘルプレス」が流れるポルノショップのシーン。わびしさの極北をしみじみと感じてしまった。