やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「ウォーリアーズ」

 

ウォリアーズ (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 さすがウォルター・ヒル

初期の作品だけど、濡れた路面といい雰囲気はばっちり。

なぜ今まで観なかったのだろう。

スターは出ていないけれど、スタイリッシュでかっこいい。

アクションもいいけど、主人公と女が交わすセリフに当時の時代の雰囲気が沁み込んでいて、いい。

ラストシーンもかっこいいし、いいぞウォルター・ヒル

映画「ミッドナイト・イン・パリ」

 

ミッドナイト・イン・パリ [Blu-ray]

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  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: Blu-ray
 

 ウディ・アレンの映画でそこそこ評判が良かったので鑑賞。

パリの街の雰囲気が楽しめたし、深刻にならないタイムスリップを使った小品としては楽しめた。ただ、監督が表現したかったこと、観客に伝えたかったことが日本人にわかるのだろうか?というのが第一印象。

ダサいアメリカ人を主人公にすることで自虐風味を出して、アメリカ人にしかわからないノスタルジーを味わう映画であり、正直なところ普遍的なテーマは感じなかった。当然、いつの時代でも「昔は良かった」という言葉は生きているのだが、あえて今映画でいうことでもあるまい。日本人にとっては街歩きのドキュメンタリー程度の力の抜けたものとしてはまあまあかな。

映画「彼岸花」

 

彼岸花 ニューデジタルリマスター版

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  • 発売日: 2013/11/27
  • メディア: Prime Video
 

 めずらしく笠智衆ではなく、佐分利信が主役。

しかし、笠智衆の詩吟が絶品。劇中でも級友たちが聞き惚れているが、すごいなぁ。

それはそれとして、テーマは毎度の嫁にやる父親と娘の葛藤。しかし、よく飽きずにやるよなぁ。これはそのこだわりへの尊敬の気持ち。

佐分利信も普遍的な鬱陶しい父親役を好演。

毎度ではあるが改めてこの映画で感心したのは構図の決まりよう。

正直、構図の良し悪し(所詮好みかもしれないが)はよくわからないが、とにかく決まっている感がすごい。一シーン一シーンにため息が出てしまう。

物語のつなぎに挿入されるカットにもうならされる。

やっぱり、小津安二郎はすごい。

この映画も構図とカットを楽しむために何度も観るのだろうな。

映画「マリッジ・ストーリー」

 

マリッジ・ストーリー

マリッジ・ストーリー

 

検索してもCDしかヒットせず。DVDは出ていないのか。

そこそこ面白かったけど、「クレイマークレイマー」という名作を知っているせいか「今更?」という感じ。

お金の苦労話が少しはさまれるけれど、所詮金持ち同士のわがままな自我のぶつかり合いの末の子供を犠牲にした痴話喧嘩の域を超えてはいない。

別れの原因を考えると「クレイマークレイマー」のほうが余程普遍的な現代性、奥の深さを持っている。

もう少し子供の屈折ぶりを出すとかしないと物語自体が硬直してしまって、どうしようもない感じ。

映画「晩春」

 

晩春 デジタル修復版

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  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: Prime Video
 

 しかし、ここまで初老の男の好色ぶりを描かなければならない理由はなんなんのだろう。監督自身を含めた世の中の初老の男なんて、仲間内になればこんなえげつない会話をしているのだということをここまで知らしめなければならないのだろうか。

答えとして考えられるのは、自分を含めた男たちの贖罪だ。男なんてのはいくつになってもこんな下世話なことしか考えていないのだということ。そしてそれは真実であるがゆえに男はたまらんよ。

それはさておき、この親子関係というのは当時の父娘の在り方としてどんなものなのだろう。普通なのだろうか。ここがわからないのでどこかモヤモヤしてしまう。しかし、ここまでのファザコンが当たり前とも思えないよなぁ。う~ん、わからん。

本「翔んだカップル」

 

翔んだカップル(1)

翔んだカップル(1)

 

 kindleのunlimitedであることをいいことに新までの全26巻を一気読み。

我ながら何をやっとるんだという気分、だが、一気に読ませるものがあった。

リアルタイムで読んでいただけに大まかな筋はわかっているつもりだったのだが、これほどまでにグズグズした展開だったとは。

おそらく今の若い人には読めないだろう。読めたとしてせいぜい3巻あたりまでか。

とにかく自己韜晦の繰り返しで、この拷問のような繰り返しがそのうちクセになってしまうのだ。自虐、自己嫌悪の沼にはまり込んでいく主人公。小説にしたら芥川賞の候補になりかねない。

おそらくは時代が書かせた作品なのだ。当時の三無主義を知る人にはわかるかもしれない。読んでいるうちに主人公がかわいくなってくるのが不思議だ。

自分の中をぐるぐる回ってみたい人にはお勧めって、そんな人はいないか。

当時の気分はたっぷり味わえました。

映画「秋刀魚の味」

 

秋刀魚の味 ニューデジタルリマスター版

秋刀魚の味 ニューデジタルリマスター版

  • 発売日: 2013/11/27
  • メディア: Prime Video
 

 やっぱり落ち着くなぁ。

テーマそのものは初老の男にとっては少々すわりが悪いというか、居心地が悪いというか、初老を迎えた男の下品さを露悪的に描いていて決して落ち着いて観ていられるわけではない。若い嫁をもらった友人に対するコメントの恥知らずぶりは本当に初老の男の厭らしさを容赦なく描いていて、監督の「こういうやつらは本当に嫌だね」という言葉が聴こえてきそうだ。そこから一線を画す笠智衆だけには娘の結婚を通して、戦争を経験した男に対して労わるような眼差しを向ける。

しかし、息子の佐田啓二ゴルフクラブに対する子供のような執着の描き方など、男に対する目には厳しいものがあるなぁ。

あと観るべきは岩下志麻の美しさ。しかし絵にかいたような美人とはこうい人をいうのだろうか。

いろいろあるけど、観ているだけで落ち着くこの味は何物にも代えがたい。