kindleのunlimitedであることをいいことに新までの全26巻を一気読み。
我ながら何をやっとるんだという気分、だが、一気に読ませるものがあった。
リアルタイムで読んでいただけに大まかな筋はわかっているつもりだったのだが、これほどまでにグズグズした展開だったとは。
おそらく今の若い人には読めないだろう。読めたとしてせいぜい3巻あたりまでか。
とにかく自己韜晦の繰り返しで、この拷問のような繰り返しがそのうちクセになってしまうのだ。自虐、自己嫌悪の沼にはまり込んでいく主人公。小説にしたら芥川賞の候補になりかねない。
おそらくは時代が書かせた作品なのだ。当時の三無主義を知る人にはわかるかもしれない。読んでいるうちに主人公がかわいくなってくるのが不思議だ。
自分の中をぐるぐる回ってみたい人にはお勧めって、そんな人はいないか。
当時の気分はたっぷり味わえました。