やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「洲崎パラダイス 赤信号」

 

洲崎パラダイス 赤信号 [DVD]

洲崎パラダイス 赤信号 [DVD]

  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: DVD
 

 鬱陶しい時期に鬱陶しい映画を観てしまった。二度目の鑑賞。

前回観たのはまだ若かりし頃だった。

当時、辛気臭い映画だなぁと思った記憶があるが、歳をとってみると辛気臭さは変わらないが、やっぱり体への沁み込み方が違う。演出の切れはさすが川島雄三

ともあれ、なんとか最後まで観続けられたのは、芦川いづみが清涼剤となっていたから。芦川いづみが出ていなければきっと途中で観るのをやめていただろう。

あんな環境にあんなやさしい素直な娘はいるのだろうか。

辛気臭い映画ではあるけれど、当時の人々が困っている人がいれば助けるのが当たり前という感覚で生活していること。三橋達也が倒れたときに道路工事に携わる職人さん(つまりは土方の人々)がやさしく介抱するシーンにはなぜだかジーンときた。

今回とくに感じたのは音楽の素晴らしさだ。これほど演出に貢献、というか支配している音楽は珍しいのではないか。

担当は眞鍋利一郎という方らしいが初めて知った。ちょっと調べてみたら、大島渚監督作品が多い。やっぱりなぁ、という感じ。驚いたのはあのゴジラ映画の異色作「ゴジラ対ヘドラ」を担当されていたこと。なんとあの名曲「かえせ!太陽を」の作曲者だった!

う~む、決して望んでやったこととも思えないがすごい守備範囲だ。昔の人はなんでもやったんだなぁ。やっぱり職人は凄い!

それはそれとして、なんていうのだろうこのラストのやるせなさ。たまらんです。