やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「イヴの総て」

 

初見だと思って観ていたが、鏡のラストシーンに見覚えがあった。若い頃に観たときにはこの映画が描いている女というか人の欲望のありかを抉り出す演出に興味を持てなかったのだろう。それはよくわかる。正直にいって今観ても楽しめる映画ではない。ただ、観始めたら目が離せない。序盤は退屈なのだが、ベティ・デイヴィスがイヴの思惑を感じ始めてからの演出はすごい。観終わって、あまりの完成度の高さにぼーっとしてしまう。そこが面白さだといえばそうなのだけれど。

観ている最中に息苦しさを感じた理由が最後にわかった。

タバコが原因だった。ほとんどの場面で誰かがタバコを吸っている。とくにベティ・デイヴィスがベッドで朝食をとるシーンでタバコを手放さないのには息苦しさを感じてうんざりする。現在、あまり放映されないのはそのせいもあるのかな。ひと昔前ならタバコ会社が喜んでスポンサーになりそうだ。

もしかすると当時のスポンサーにタバコ会社がからんでいるのかもしれない。

映画のなかでも新人役で出ているマリリン・モンローはやっぱり輝いている。