やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」

 

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」Blu-ray

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」Blu-ray

  • 発売日: 2011/12/21
  • メディア: Blu-ray
 

 ここまでやられると、どっぷりとノスタルジーに浸ることへのちょっとした後ろめたさなどどうでもよくなる。

一つ一つのエピソードが絶妙にミックスされていて、あざとさを感じる隙間が無い。

懐かしさのなかに挟み込まれた三浦友和の家族、戦死した部下のエピソードが沁みた。

誰に感情移入してしまうかと言えばもちろん息子の一平である。よくぞこのキャラクターを探したものだ。吉岡秀隆は少し屈折した役をやらせるとうまいなあ。

とにかくキャスティングが絶妙。薬師丸ひろ子がここまで「昭和のおかあさん」役がはまる役者になるとはデビューした当時を知る者として感慨深い。

とにかく、現実逃避とでも何とでも言えという気分で映画の世界に浸らせてくれる。

これからも折に触れ観るのだろうなぁ。

 

 

本「1970年代記 「まんだら屋の良太」誕生まで」畑中純

 

1970年代記「まんだら屋の良太」誕生まで

1970年代記「まんだら屋の良太」誕生まで

 

 著者とはほぼ一世代ずれていはいるが、この本に描かれた時代の空気は十代の身体でたっぷり吸ったので一世代ずれた視点から描かれた1970年代として懐かしさとともに楽しめた。

フォークにはどっぷりと浸ったはずなのに、著者が描く「フォークは好かん」という気持ちにもどこか共感できるところがあり、今冷静に眺めればフォークが持つ民族音楽的な普遍的なものとカウンターカルチャーとしての時代の仇花としての要素のどちらに感応するかで好き嫌いがわかれるのかもしれない。

この絵柄はこれまで何度も目にしているはずなのに著者の名前を意識したのは今日が初めてだったのは自分でも以外だった。

しかし、才能のほとばしりを感じさせないこの才能はなんなのだろう。

何度も味わいたい作品だ。

本「たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説」辻真先

 

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

 

 なんといっても88才での「このミス」一位に驚かされる。

しかも、作者は昔観たアニメの脚本家としてその名前が心に刻み付けられている辻真先ではないか。早速、kindleで購入、一気読み。

副題に「昭和24年の・・・」とあるように、戦後の風俗小説としての側面もあり、初めて知る事実に驚かされた。それに青春小説としてのちょっと甘酸っぱい雰囲気も楽しめる。しかし、正直なところ、これが「このミス」一位でいいのか、という感じ。決して作品の質としてふさわしくないというのではなく、読後に感じたミステリーの濃度の低さからの感想。

タイトルへの想いは作中で語られるが、チャップリンの「殺人狂時代」の「一人殺せば殺人者、100万人殺せば英雄になる」に通じるものなのだろう。

しかし、この人がいなかったら昭和のアニメの質は全く違ったものになっただろう。この本を読んで、次回作には切なさを極めた青春小説を期待してしまった。

映画「リバーズ・エッジ」

 

リバーズ・エッジ [DVD]

リバーズ・エッジ [DVD]

  • 発売日: 2018/08/08
  • メディア: DVD
 

 二階堂ふみを見たくて、いや正確に言えば二階堂ふみの演技を見たくて観た。
期待通り、やっぱり二階堂ふみはうまいなぁ。コメディエンヌの素質もあるし、
朝ドラでの歌唱力にはびっくりした。
これからもいいホンを選んで頑張って欲しい。
出演していた他の若手の俳優もみんな演技がうまいことに驚いた。
特に吉沢亮のラストの表情にはぞくりとさせられた。
説明のためか焼死体の一部を見せていたが、あそこはきっちりと覆うべきだろう。
警察があんなヘマをしないであろうことを思って少々白けてしまった。

妊娠してしまう女子高生の役の子は初めてみたけど、まさに体当たりの演技でよかった。
テレビドラマの下手な演技に慣れてしまっていたのか、演技の良さが新鮮だった。
主役の二人はくしくもNHKの朝ドラコンビ。やはり、朝ドラに下手な役者は出せないということか。
行定勲監督の名前は知っていたが、長編作品は初見だった。

狂言回しの釣り人の演出は少しあざといけどムードにアクセントを与える効果は十分

。他の作品も観てみたい。

映画「人情紙風船」

 

 

人情紙風船 [DVD]

人情紙風船 [DVD]

  • 発売日: 2011/02/14
  • メディア: DVD
 

二回目。 amazonprimeで見つけて喜び勇んで鑑賞。

山中貞雄27歳のときの作品か、あらためてすごいなあ。

これが遺作だなんてもったいなすぎる。

演出は省略が効いていて切れがいい。しかも、雨の中の又十郎はしつこいくらいにじっくり撮っていて、又十郎の心情がこちらの胸に沁み込んでくる。役者もうまい。

しかし、ラストにはぞっとするな。なんていうんでしょう。どんな境遇でも生き延びる力を持たない男には、どの時代にあっても明るい未来は開けてこないのだな。

 がんばろうっと。

映画「天気の子」

 

 昔録画していたものを初見。

これほどリアルに描くのなら実写と同じだ、と思うのだが、その描写が感動を呼ぶのはどんな心理なのだろう。

確実に意識しているのは、これは人の手のよるものなのだ、との思いだし、観たいのだけれどこれまで観たことが無い風景だ、との認識だろう。

とにかく、物語とは別の回路で感動を呼び覚まさせられる映画だ。

物語は明らかに破綻している、歳のせいかもしれないが、現実感とかけ離れすぎていて感情移入ができない。(苦笑)

拳銃やラブホテルの異物感やがぬぐえないし、大人の眼の小ささはキャラクターへの嫌悪感につながってしまう。ただ、アクションシーンは楽しめた。

もう少しの工夫で泣ける映画になると思うのだが。贅沢かな。

映画「鈴木家の嘘」

 

鈴木家の嘘

鈴木家の嘘

  • 発売日: 2019/08/07
  • メディア: Prime Video
 

 岸部一徳は本当にいい顔になったなぁ。

この顔ならばどんな役でもこなせると思う。

物語は子供に死なれた母ばかりではなく、残された家族のそれぞれの思いを描くがなんといっても妹の木竜麻生の切なさが沁みる。

一時の感情のおもむくままに取返しのつかない言葉を投げかけてしまい、それが本当に取返しがつかないことになってしまったとき、人にはなすすべはないのだ。

しかし、イブちゃんに会うシーンがみたいなぁ。