やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

本「バカと無知」

 

まあ、そうなんだろうな、というのが感想。

そう考えないと辻褄が合わないのだよな。

でも、そう考えたくない、という自分がいる。

そこがバカなところ。

一方、そうだったのか、と思うところもある。

記憶の形成など、言われてみればそうなんだけど、知っているかどうかで考え方や行動がかなり違ってくる。

ここが無知なところ。

人類みな兄弟というわけにはいかないので、できるだけ仲良くやっていける人々との関係を密にし、そうでない人々とは距離を置きながらやっていくしかない。

仕事などで距離をおけないときは、仲良くなるのではなくて被害を最小限にとどめる方法に知恵を絞るべきということかな。

その方法を考えるときには役に立ちそう。

映画「あのこは貴族」

 

とんでもない監督がいたものだ。

二日連続で鑑賞した映画は何年ぶりくらいだろう。

それくらい良かった。個人的には「やっと小津の後継者が現れたか」という感じだ。

評判は聞いていたので、小説はkindle版を購入済だったが未読だった。映画を先に観ることになったが、小説も楽しみだ。

さて、この映画の気に入ったところは、

・無駄な演出が一つもない

・観客を信頼している

・観客に媚びていない

・キャスティングが完璧 ※主役は門脇麦以外に考えられない。

・涙を使わない

・無駄な笑顔を使わない

などなど

幸太郎と美紀の関係を美紀が爪を切るシーンで完璧に表現しきっているところにはうならされる。

しばらくは岨手監督を追いかけることになりそうだ。

監督のブログをみつけたが、これがまた面白かった。

本「方舟」

 

イデア勝負の一冊。

休日の一気読みエンターテインメント本として十分に楽しめた。

設定のところどころに多少無理筋なところがあり、アイデアをどう生かすかに苦労の後が見える。それも最後のどんでん返しで許容範囲。

ラストを読んでいるときに、さらにどんでん返しがあれば面白いと思ったが、さすがにそこまでやるとあざと過ぎるかな。

本「護られなかった者たちへ」

 

小説とわかっていても胸が締め付けられた。

義憤を覚えつつも、行動をしていない自分のうしろめたさを感じて、精神衛生上はあまりよろしくないかな。

税金が本当に現状の社会にとって正しく使われているのか、最近の世情も重なり、自分たちがしっかりしなければとの思いに駆られる。

本編では社会性と娯楽性のバランスがよく、考えさせられると同時に楽しめた。

他の作品も読んでみようかな。

本「異人たちとの夏」

 

映画がここまで小説に忠実だったとは。

作者が脚本家のせいもあるのだろうが、ほとんど台本を読んでいるようだった。

後付けになるけれど、キャスティングもほぼ小説のイメージの通りだ。

父親のイメージは鶴太郎の演技とほぼ重なった。鶴太郎もうまかったし、代表作だろうな。

映画を先に観ていなければ、どんでん返しにアッとなったんだろう。

最後のケイは怖かった。

映画「異人たちとの夏」

 

毎夏恒例の鑑賞。

大林監督の永遠のテーマである近親相愛のギリギリの表現を楽しむ。

そういう意味ではキャスティングがこの映画の鍵を握っていたことを改めて感じる。風間杜夫秋吉久美子のラブシーンとも思える演出にはいつもどきどきしてしまう。

秋吉が風間の汗を拭いてあげるシーンの演出はどうみても夫婦のシーンだ。

浅草今半での別れのシーンは本当にいい。セリフも完璧で、さすが山田太一

ラストのホラーシーンは最初はやり過ぎと思ったが、今観れば、ここまでやってこそのシーンだと思う。

今年は今半のシーンで泣いてしまった。

映画「カリフォルニア・ドリーミング」

 

大昔、テレビ東京で観た映画が気になっていて、DVDで買っていたものを鑑賞。

もちろん、名作ではないことはわかっていた。

しかし、なぜあの名曲のタイトルがこの作品に付けられることを許されたのだろう。

気になっていたのはラストシーン。

最後のショットが彼女の肩を抱くストップモーションであることは知っていたのだけれどその前のシークエンスが知りたかった。

なるほどね。

名作ではないけれど、なんというか昔の西海岸の無垢な(どちらかといえば白痴に近い)青春群像がサーフィンの映像とともに楽しめる。

主人公は悪い奴ではないけれど、こんな彼女はもったいないね。

音楽はパパス&ママスの原曲ではない。アメリカかな。

若き日のタニヤ・ロバーツが美しい。