思わずうめき声が漏れた。それほど面白かった。
フィクサーというのはまさにこの男のような者をいうのだろう。
日本はまぎれもない資本主義国なのだろうが、その国をつくってきた政治家をつくった男は共産主義の洗礼を受けている。昭和の大企業のトップの多くもそうだ。
だからなんだという話だが、日本の資本主義が湿った資本主義でであるのはこのような背景があったからなのか。湿ったという感じもうまく言えないが。
若い頃は黒幕という言葉でしかイメージできない人物だったが、その人物がどのように形成されてきたのか。とても面白いドキュメンタリーだった。
一言でいえば、この男は自分を省みることのできない男だったのではないかということだ。若い頃、哲学に傾倒したようだが、発言には自分を内省する言葉は皆無だ。
しかもことごとく、浅い。
いくら哲学をしても成熟できない人間がいることがはっきりとわかった。
しかし、93歳で大企業のトップか。
この国はどうなってしまったのか。