やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「スケアクロウ」

 

スケアクロウ(字幕版)

スケアクロウ(字幕版)

  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: Prime Video
 

正直言って、アル・パチーノの演技は嫌いだ。
理由は、ほとんどの観客が同意するであろう演技のウザさだ。
例外は、そのウザさが抑えられている「ゴッドファーザー」とウザさの極限を超えた「スカーフェイス」だ。この二本はいい。そして、ジーン・ハックマンがウザさを薄めてくれたこの「スケクロウ」がそこそこ好きという感じ。

なんで観るのかといえば、一度観始めるとヴィルモス・ジグモントの映像から目が離せなくなってしまうから。この下っ腹に落ちてくる、くすんでいてなんとも言えない映像の感触はたまらない。
そして男同士の友情ものとしては「真夜中のカーボーイ」と双璧をなす名作であることに間違いはない。
ショーケンの「傷だらけの天使」との関係が言われる映画だが、企画段階でショーケンがこの映画をイメージしたらしいので間違いはない。なんたって、映画の公開が1973年、「傷だらけの天使」が1974~75年の放映なのだ。まさに出来立てをパクった、というかオマージュを捧げたというところか。
象徴的なのは噴水のシーン、アキラの死因ともなる噴水、アル・パチーノの自己崩壊の場である噴水、そこでは修とジーン・ハックマンはなすすべを持たない。
映画に戻ると、なんともやるせない映画。
まさにベトナム戦争末期に製作されたアメリカの贖罪映画だ。
何かを後悔しているとき、何かに謝りたいときに観れば身に沁みること間違い無し。
ショーケンではないが「たまらん、たまらん、たまら~んぜ~♬」