やぶにらみ気まぐれmemo

読んだ本、観た映画などなどの徒然日記

映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」

 

 いやぁ~~、面白かった、珍しく最後まで観るのをやめられなかった。

全共闘と同世代ではないし、その思想に共感するわけでもないが近い世代としては何かしらの引っ掛かりはあって、この映画も観ておかなければという思いがあった。

三島由紀夫については、後になって思い出したことだけれど、ある秋の日に普段は紳士的な国語の教師が妙に興奮していて、授業中によそ見をしていた私の胸倉をつかんだことがあった。その日はまさにあの日だったのだ。田舎の学校ではあったけれど、その田舎教師にさえ三島は計り知れない影響力を持っていたんだな。

映画の中での途中の議論は、今となってはわけのわからないこと、というかどうでもいいと感じてしまうことが多いけれど、昔の学生はそれなりに余裕もあったのだなとも感じた。登場する芥なる人物の発言は面白かったけど、やっぱり「これじゃダメだな」と感じさせられた。

昔、中野翠氏が「いちご白書をもう一度」に激怒している文章を読んだことがあったけど、怒るのは筋違いというもので、一歩外から観れば当時の学生の真面目さは認めるにしても社会に与えた負の影響を考えれば、その幼稚さは責められてしかるべきと、今でも思う。このあたりは三島が言った「熱情だけは信じる」と同じ感覚だ。

しかし、普段映画を途中で観るのをやめることが多いけど、これには最後まで引っ張られたなぁ。三島は本当に魅力的だ。